好きなアルバムと映画 2003年9月27日 12:28 am に更新)

Paul Simon/Paul Simon

 S&G 解散後の 1972 年にリリースされたポール・サイモンの一枚目のソロアルバムです。これは、色んな意味で僕の人生を大きく揺さぶりました。30 年経った今でも、そのギターの音の美しさと、韻を踏む歌詞のフィット感は、何とも言えぬ心地良さを与えてくれます。

 音楽的には、ポールのアコースティック・ギターが最もストレートに聴けるアルバムだと思います。ナイロン弦も数曲で効果的に使われており、今の僕が両方とも好んで弾いているのは、間違いなくこのアルバムの影響です。ギターという楽器が持つポテンシャルを、聴いているものを心地良くさせる方向で最大限効果的に引き出しています。ギタリストとしてのポール・サイモンも、この頃が最も熟した時期だったのではないでしょうか。

時計じかけのオレンジ(Clockwork Orange)

 キューブリックの独特なカメラワークのせいか、ストーリーそのものよりも、各シーンが強烈に記憶に残る映画です。特に暴力的なシーンが多いわけではありませんが、全体は、とても暴力的です。好き嫌いもはっきりと別れるでしょう。

 この映画を初めて観たのは、中二の時で、場所は熊本でした。友人数人と熊本経由で鹿児島に行く予定だったのですが、熊本での乗り継ぎで5時間ぐらい待ち時間があったので、時間を潰す目的で駅の近くの映画館に入ったら上映されていたのがこの映画でした。結局、映画館の中か、待ち時間内のどこかで切符をなくして鹿児島には行けなくなり、友人の一人の実家があった久留米に朝方戻るはめになったのですが、そんなことどうでも良いぐらい、この映画の余韻に浸っていました。

Stride Guitar/Guy Van Duser

 ジョン・ミラーという人のガーシュイン曲をソロで弾いたり弾き語りしているアルバムを気に入ってたら、当時の先生から、この人も聴けと言われ、巡り合ったアルバムです。ギターを弾く気が失せてしまうほど、完璧な演奏です。この前後にも何枚かギターソロのアルバムを出していますが、これは、演奏、アレンジともずば抜けています。残念ながら、現在では廃盤になっているようで、インターネットで探しても引っ掛かってきません。このような素晴らしいアルバムがなぜ!!!

 ストライドとは、ピアノの左手の動きから来る奏法で、言葉そのもののスタイルです。ギターでは、右手の親指(左利きの方は左手の親指)がこの役目をするのですが、このアルバムでは、そこにウォーキングも入っており、ブギウギも感じさせます。今まで聴いたギターソロアルバムの中でも、“唄っている”という意味では No.1 です。

卒業(The Graduate)

 う〜ん、何度観たでしょうこの映画は。アン・バンクロフト演じるミセス・ロビンソンと、“参考までに、あなたのことを少し伺いたいのですが”といった FBI を連想させるような歌詞を持つ挿入歌「ミセス・ロビンソン」の関係は未だに分かりませんが・・・。「ミセス・ルーズベルト」というタイトルも頭にあったと、後にポールが語っています。

 ダスティン・ホフマンは、この映画で一躍有名になったわけですが、この映画に起用された理由が、“二枚目でもないし、演技がずば抜けているわけではないが、何か(something)がある”だったそうです。当時のサンフランシスコを中心としたベイエリアの雰囲気も伝わってくる映画です。

Home

The Beatles/The Beatles(通称ホワイトアルバム)

 その名の通り、レコード盤が真っ白になるまで何度も聴いたアルバムです。発売後10年経った1977年のビルボード誌のアルバムチャートでも、まだ200位以内にいました(ピンクフロイドの「狂気」もいたように記憶しています)。

 セクシー・サディーやクライ・ベイビー・クライなどのジョンの曲には、解散後のジョンを彷彿させるニュアンスが含まれています。このアルバムをメッセージとして受け止めたチャールス・マンソンをリーダーにしたグループが起こした「へルター・スケルター」事件についての本も読みましたが、かなり恐かったです(特に写真が)。

ボギー俺も男だ(Play It Again Sam)

 ウッディ・アレンに“はまる”きっかけとなった映画です。この作品でのウッディ・アレンは、出演と舞台用の脚本のみの参加で(監督:ハーバート・ロス)、その後の一連の監督作品とは、一味違う分かりやすい(?)ドタバタさを持っています。

 初めてこの映画を観たのは高校の時で、野球の試合の帰りでした。下級生だった僕は、バットケースかボールバッグだか忘れましたが、大きな荷物を抱えており、どこか涼める場所ということで入った映画館でやってたのがこの映画でした。

Paradise and Lunch/Ry Cooder

 ライ・クーダーは基本的に全部好きなので、どれか一枚選ぶとしても、その時の気分次第ということになるでしょう。どれを一番聴いたかと言われれば、このアルバムです。ブラインド・ブレーク譲りの独特な間で演奏するライのアコースティック・ギターが満喫できます。

 オープニングの Tamp 'Em Up Solid での、乾いたアコースティックギターの音色、ボトルネックギターが炸裂する Jesus On The Mainline、Earl Hines のピアノに、ライの軽快なフィンガーピッキングと渋いボーカルが絡み合う Ditty Wah Ditty まで、アルバム全体を通して最高の音楽を奏でています。

チャンス(Being There)

静かな映画です。主演のピーター・セラーズは、ピンクパンサーシリーズで有名な俳優さんですが、この映画では、心優しい正直者の庭師を演じています。映画全体を通して流れる空気は独特で、どこか切ないのですが、ところどころでくすぐるように笑わせてくれます。

見終わった後に、気持ちが落ち着くという点では、今まで観た中でも No.1 でしょう。